業界記事

CALS/ECの今後/写真・図面からデジタル化/技術調査室

2005-06-25

県管理課技術調査室は、CALS/ECの導入に向け昨年度15現場において実証実験を行った。また今年度は、約100現場を対象に実証実験を行うほか、電子納品の試行運用やCAD等の操作研修などを行う。県では、CALS/ECの導入を18年度から行い、5年間程度で段階的に拡大していく方針。県は、CALS/EC導入の目的を技術の効率化と、それに伴うコストの縮減としており、全ての書類をデータ化するのではなく、利活用の必要性が高いものから順次デジタル化していきたい考えだ。
【電子化のメリット・デメリット】
県は、昨年度に県土整備局の発注工事のうち15案件を対象に電子納品実証実験を実施した。実験は、工事12件、業務3件の計15件が対象で、一般的な土木工事や委託業務を抽出、かつ初期の取り組みから検証するため9月~10月にかけて発注された案件を対象にスタートした。
 実験は、写真、書類の管理を電子化し、担当者同士のやり取りもメールで行っており、最終的にCDにデータをまとめ、電子納品という形で発注者側へ提出した。
 情報の共有化とは、例えば写真の管理の場合、受注者側が現場で撮影した写真データを情報共有システムへ登録・保存する事で、発注者側からもその写真を見ることが出来る。書類も同様で、共有のシステムに保存する事で両者から見ることが出来る。
 実験の結果、電子化によるメリットとしては工事担当者が直接、役場庁舎へ行く手間が省ける事から、移動時間や打ち合わせ時間が短縮出来、またCDにデータをまとめるため資料の整理、書類の整理が容易で、さらには省資源化、省スペース化など様々な部分でのメリットが改めて確認出来た。
 一方で、山間部でのインフラの未整備やCADソフトやスキャナーがないなどの作業環境の不備、さらには記入者のサインが必要な安全書類などをスキャナーで読み込みデジタル化する事が業務の効率化につながるのか、といった疑問も浮かび上がった。また、デジタル化したデータがどのように利活用されるのか、という意識的な問題も解決課題として上がってきた。
【今後の県の方針】
県は今後の方向性として、「今年度から5年間程度で段階的な拡大を目指す」、「電子化のルールは国のものをベースに、普及期における緩和等の取り扱いを検討する」、「段階的拡大は、業務効率化やデータ利活用目的が明確なものから、環境整備と併せて行う」、「データ利活用を主目的とし、電子化による業務改善も考慮していく」、「課題対応や段階的実施の見極めなど、実験や試行を行いながらフィードバックさせて進めていく」の5つを挙げており、今年度は昨年の15件から大幅に件数を増やした100件の実証実験を実施し、電子化の範囲・仕様、拡大計画などの運用方法を具体化させていく。また、今年度の実証実験は県土整備局以外の森林分野、農業分野、建築分野でも実施する。
 さらに、CAD等の操作研修を行うとともに、CADの導入を進め、今年度中には試行運用、来年度には運用を拡大し、5年間程度で段階的に普及を進めていく。
 県は、電子化について、あくまでも業務の効率化を目的としており、全てをデジタル化するのではなく活用頻度の高いものから段階的に進めていきたいとした。具体的には、写真や図面(CAD)、地質データなど、電子化し共有の情報とする事で業務の大幅な効率化が期待できるものから優先して実施していく考え。最初から高いハードルを設定するのではなく、可能な範囲で進めていきたいとしている。
 また、CALS/EC連絡協議会などを通して、受注者との調整も並行して進めていくとしている。

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