業界記事
中越大震災発生から8か月/19年10月までにインフラ復旧/復興計画素案公表
2005-06-22
中越大震災発生から明日(23日)で8か月が経過する中、長岡市は震災や水害からの各種復興事業推進に向けた「長岡市復興計画(素案)」をまとめた。計画の目標年次は概ね10年後(平成26年)で、うち平成19年10月までを復旧期とし、インフラ復旧等に充てる。また、防災集団移転等が想定される市内6地区を特定地区に位置付け、地区別の今後の復興方針を示した。なお、復興計画は7月下旬にも成案化する見通しだ。
復興計画案によると、今後の復興は概ね10年後の姿を見据えながら段階的かつ着実に取り組みを進める方針で、期間を<1>復旧期(平成19年10月まで):生活や産業の再開に不可欠な住宅、生産基盤、インフラなどの復旧に加え、再生・発展に向けた準備を精力的に進める<2>再生期(平成22年10月まで):残りの本格復旧を進めるとともに、復旧されたインフラと市民の力を基に徐々に地域の価値を高める<3>発展期(平成22年以降):まちなかや中山間地を含めた地域全体が新たな魅力と活力ある長岡市として生まれ変わり、安定的に発展していく期間―に3区分し、各施策展開を図る。
また、今回の水害や震災によって「長期避難を余儀なくされている地区」または「防災集団移転が想定される地区」である市内6地区を「特定地区」に位置付け、今後の復興方針を示した。
地区別の復興の方向性は次の通り。
【山古志地域・太田地区(長岡地域)】
▽土地の安全対策と併せて道路、農地・養鯉池等生産基盤、ライフライン等を復旧▽安全な集落機能再生適地の選定と宅地基盤の整備▽地域条件に見合った復興公営住宅の整備▽地元産木材等を用いた小・中学校校舎整備▽(仮称)(株)山古志の設立▽集落運営による宿泊施設やレストランの開設▽震災メモリアルパークの整備▽震災アーカイブスの整備―など
【浦瀬地区(長岡地域)】
▽集団移転に伴う住宅団地の用地取得及び造成、住宅団地に係る公共施設整備▽浦瀬川の洪水の流下断面を確保するための築堤、河道拡幅、河床掘削、橋梁の架替―など
【法末地区(小国地域)】
▽道路の復旧▽地盤の安全確保▽住宅の確保▽宿泊施設の再建―など
【山野田地区(小国地域)】
▽道路の復旧▽住宅の確保▽拠点活動施設の再建―など
【西谷地区(越路地域)】
▽がけ・道路・ライフライン等早期復旧による帰宅と安全な生活確保▽防災集団移転検討―など
【中之島市街地(中之島地域)】
▽刈谷田川の早期復旧▽県道中之島・見附線の早期整備▽中之島市街地の総合的なまちづくりの検討―など
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