業界記事

大子新庁舎建設事業/遠藤克彦建築研究所を最優秀者に/3階建てでRC造とS造を併用

2018-06-14

 大子町は新庁舎建設設計業務プロポーザルの最優秀者に㈱遠藤克彦建築研究所(東京都品川区)を選定した。技術提案書によると建物は3階建てで、メインフロアは2階に配置。1階のピロティをRC造で、上部躯体をS造で建設。敷地の北西には公園も整備する。建物の計画規模は最大4500㎡、既存庁舎の解体や外構も含めた総事業費は最大で26億円を見込む。2019年1月までに基本設計を、9月までに実施設計をまとめる。工事は19~20年度で行い、21年度の供用開始を目指す。
 現庁舎は建築から50年以上が経過している。老朽化が顕著なだけでなく、狭あい化や耐震性の不足、バリアフリーの不備といった課題もある。
 町では施設の建て替えに向けて、17年度に町新庁舎建設検討委員会を立ち上げて調査と検討を推進。新庁舎建設基本構想・基本計画を策定した。建設地は本庁舎西側の町有地(A約8000㎡)に決まった。
 3月には設計業務を公募型プロポーザルで公告。参加表明書を提出した16者から遠藤克彦建築研究所を最優秀者に選定。審査講評では町や広場と庁舎が川沿いの土地に溶け込んだ開放的でダイナミックなプランニングが高く評価された。次点は㈲ナスカ。
 遠藤克彦建築研究所が提出した技術提案書では、建物はRC造とS造を併用した3階建てとする。1階のピロティは浸水や地震の発生を考慮してRC造で強固な土台をつくる。上部躯体はロングスパンが可能なS造を採用する。
 1階にはピロティのほか町民ギャラリーや備蓄倉庫、駐車場、木質バイオマスボイラーなどを配備する。
 メインフロアは2階部分に設置する計画で、これは想定を超える浸水に備えるため。執務室のほかにはカフェを併設した交流スペースを設けて町民の憩いの場とする。また河川と山々が眺望できて町民のための催しが開催できるイベントデッキも設置する。3階には執務室のほか議場やホワイエを置く。
 また地場産材を最大限に活用することも検討。八溝杉を利用したダブルスキンルーバーや内装など、町の特色を建築化。地場製材所と連携して町ならではの庁舎をつくっていく。そのほか伝統工法である板倉工法を後世に残すため板倉の壁で庁舎全体を包み込む。
 敷地の北西部には多くの来庁者が利用できる公園「大子町パーク」を整備。東側には職員用車や公用車の駐車スペースを確保する。
 建物の具体的な面積や事業費は現段階では確定しておらず、基本計画で示した4200~4500㎡、23~26億円をベースに設計をまとめる中で詰めていく。担当課は「解体や外構を含まない本体工事費は17~20億円程度を試算している」と話した。

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