業界記事

茨城県建設業活性化指針-その5-

2005-04-27

 茨城県建設業活性化指針
茨城県土木部
【新たな収益源の確保】
 建設需要の全体量が減少しているため、新たな収益源がなければ売り上げの減少は避けられない。売り上げの増加を図る観点からは、新分野・新市場の開拓は、企業の持つ経営資源を生かして新たな収益源を確保するための重要な選択肢になる。
 この新分野・新市場には、建設業の分野のなかで社会経済環境の変化に対応して新たに生まれてくる分野と、非建設業の分野のなかで今後の市場ニーズや成長可能性が高いため、建設業者が保有する経営資源の活用という面からも参入が期待される分野が考えらる。
 当然のことながら、新分野・新市場への進出にはリスクが伴う。しかし、市場の狭まりつつある建設業のみに注力すること自体もリスクを負っていることを認識する必要がある。
 茨城県内の建設業者のこれまでの状況は、全国の動向に比べると、新分野・新市場進出に対する取り組みがあまり見られなかった。
 しかし、今後の建設市場の動向と経営環境を考えたときには、選択肢の一つとして新分野・新市場進出の可能性を検討することが望まれる。
【建設業者の経営資源の活用手法】
 <1>顧客の満足・ニーズをつかむ柔軟性
 <2>経営者自ら興味・関心のある事業を明確化
 <3>成功に導くための全社的な体制の構築
 <4>既存機材・資産を生かせる場合には、その方策の検討
 <5>上記新規分野の経験を生かした事業の発展
 ※本項に示す事例は次の参考文献による=「建設業の新分野進出」(米田雅子編著・東洋経済新報社)。「新分野へ挑戦する建設業」(米田雅子編著・東洋経済新報社)。
【建設関連分野への進出】
◆建設資材分野の開拓
 建設資材の開発や新技術・新工法の開発は随時進められている。効率的かつ効果的な公共事業の実施に寄与可能な建設材料及び工法の開発、公共事業のコスト縮減に資する建設材料及び工法の開発、循環型・リサイクル社会の構築や自然環境保全に資する建設材料及び工法の開発などはニーズの高い分野といえる。
 <1>事例1
 愛知県のA社は、舗装・土木工事を主体に行っている。環境対策、リサイクル活動の一環から、産業副産物である微粒珪砂を開粒度アスファルト舗装に充填することにより、路面温度上昇抑制機能を有する舗装技術を共同開発した。同社の立地地区周辺の工場から排出されている珪砂を利用することで産業廃棄物の処理にも貢献している。
 <2>事例2
 東京都のB社は、舗装工事で使用される透水性コンクリート舗装の技術を応用し、多自然型の河川整備のための護岸と植生を同時に実現できる機械化施工工法を開発した。コンクリートの強度を生かして堤防の侵食防止を確保すると同時に、透水性コンクリートの親水性機能により植生機能を持たせることに成功した。施工は、舗装用機械に改良を加えることで機械化され、低コスト化することが可能となった。
◆建設リサイクル分野の開拓
 環境・循環型の社会への移行が時代の潮流として望まれるなか、建設分野においても建設リサイクル法が施行されている。現況の建設廃棄物のリサイクル率は全体で約8割となっているが、木材や汚泥についてはリサイクルが遅れており、不法投棄の問題なども解決されるに至っていない。
 今後、環境を重視した社会づくりが益々求められるなかで、建設リサイクル分野の事業可能性は高まるとみられ、取り組みの可能性が十分にある分野と考えられる。
 <1>事例3
 長野県のC社は、地元で産する間伐材を利用した舗装材を開発した。間伐材が原料であるため低コストであり、舗装が適度にやわらかいため歩きやすい。また、舗装面温度上昇が抑えられ、ヒートアイランド現象を抑制できる。雨水の浸透により水の循環を妨げないなど、優れた特徴を持つ舗装材となった。
 <2>事例4
 福島県のD社は、県内のブロック製造業者21社で設立した協業組合を(株)化した。事業内容は分別回収したガラス瓶のうち、メーカーが引き取らないものを粉砕し、それらを混入した透水性舗装ブロックを製造することである。再資源化に適さないガラス瓶を資源化し、リサイクルに貢献している。
◆建設リユース分野の開拓(リフォーム、コンバージョン事業)
 リフォーム・リニューアル市場は、建設業者が比較的進出しやすい分野である。これまでの進出事例では、専門工事業者が元請受注を狙う事例もみられる。
 ただ、進出しやすい反面、競争は厳しいのが現状。他社との差別化を図るため、高齢者対応、省エネ、健康住宅等、リフォーム市場のターゲットを絞り込み、商品開発を積極的に行ったり、顧客を獲得するため、提案営業力の強化、異業種連携による営業力強化を図ることが求められる。
 あるいは、リフォームに関連する各種業者と発注者の仲介をする機能を担うことも、建設業者なら可能。
 また、既存ストックの再生や利活用の面では、住宅のリフォームばかりでなく、今後は業務系の施設のコンバージョンも需要が増加するものと考えられる。
 例えば、市町村合併に伴う既存庁舎の活用などにおいてコンバージョン需要の発生が見込まれる。さらに、新たな建設投資が抑制されることにより、施設の維持補修等においても需要の増加が見込まれる。
 これらの検査、補修、維持管理にかかるプロパティ・マネージメント分野(不動産管理業務と賃貸管理業務とを一括して行い、資金管理を含めて不動産を総合的に管理する業務分野)も需要が増加する分野の一つと考えられる。
 <1>事例5
 鳥取県のE社は、公共工事減少を見越してリフォーム分野への進出を検討したが、水周りや外壁リフォームは価格競争に巻き込まれると考え、外構工事を中心としたリフォームショップを立ち上げた。
 ガーデン、エクステリア、花苗など、屋外向け商品、インテリア、雑貨、カーテンなどの屋内向け商品を扱うとともに、イベントコーナーでスクールを開講し、リピーターを育成する。
 住宅本体と比較して比較的簡単に工事管理までできるため、建築業以外からの転職者での対応も可能となっている。
 <2>事例6
 大阪府のF社は、専門業者からなる塗装業のフランチャイズチェーンを結成した。当社は戸建て以外の外壁塗装を中心としたリフォームを請け負い、職域や団体に対する営業に特化するなどの特色を持つ。広域にわたる各地の専門同業者が協業することにより成果をあげている。

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