業界記事

社会資本整備交付金の拡充を/松糸と中部縦貫整備促進も/市議会議長会

2018-01-20

 長野県市議会議長会(会長=小林治晴長野市議会議長)の第159回総会が16日、須坂市のスザカ迎賓館で開かれ、社会資本整備総合交付金の予算拡充や中信地域における広域的な道路ネットワークの整備促進など3件の各市提出議案を原案どおり可決した。
 このうち社会資本整備総合交付金の予算拡充は、中野・飯山・須坂市議会が提案。説明に立った中野市の深尾智計議長は「各自治体とも厳しい財政状況の中、道路環境整備、下水道施設の更新、橋梁の長寿命化などを行っている。しかし、事業実施に必要不可欠な同交付金の交付額は要望額を下回る状況が続き、事業の計画的な執行が困難になっている」と提案理由を説明。「この状況は地域づくりに影響を及ぼし、地域活力の低下を招くことも危惧される」とし、国に対し、防災・減災につながり、地域活力の向上に資する同交付金の予算拡充を強く求めていくことを提案した。
 また、松本・塩尻・安曇野・大町市議会は広域的な道路ネットワークの整備促進について提案。
 大町市の勝野富男議長は「松本糸魚川連絡道路は(仮称)安曇野北IC~大町市街地南までの間の計画案が公表されるなど一定の前進はみられるが、整備の着手には至っていない。県下で唯一高速交通網を持たない大北地域は、観光・物流面での相対的な地位が低下し、地元経済への深刻な影響が危惧される。早急な整備が必要不可欠」と強調。中部縦貫自動車道についても「岐阜県側では着々と工事が進み、開通区間が増えている一方、長野県側の工事は依然立ち遅れていることから、早急な進展が急務」とし、両事業の整備促進について議長会の賛同を求めた。
 岡谷・諏訪・茅野市議会は諏訪湖の環境保全について提案。説明に立った岡谷市の武井富美男議長は、水質浄化および生態系回復のため、浚渫やヒシの完全除去など必要な施策を充実・強化するとともに、諏訪湖の環境保全施策に係る必要な予算の確保に努めることを提案した。
 3議案いずれも異議は出ず、原案どおり可決。今後、国や県に対し要望を行っていく。
 総会の冒頭、開催市の関野芳秀須坂市議会議長は「自然災害のリスクが高まっており、この対策に十分な予算措置を要望していくことが必要。また、多種多様化する住民ニーズへの的確な対応が求められており、議会の果たす役割は以前にも増して重要、かつ責任は重くなっている。市民の信頼に応えるため、なお一層、議会機能の充実を図らなければいけない」とあいさつ。
 小林会長は「広域的な施策の展開も重要になっている。互いに連携し、国や県に積極的に対し要望・提案を行っていきたい」と述べ、本日の成果に期待を寄せた。
 来賓あいさつでは、三木正夫須坂市長は「財政事情が厳しくなる中、市議会からの提案は市政運営に極めて重要」と述べ、竹内善彦県企画振興部市町村課長は阿部守一知事の祝辞を代読した。
 議事では2018年度予算と3件の各市提出議案を原案どおり可決。また、7月開催予定の次期開催市を中野市に決定。来年1月の次々期開催市を大町市に内定した。
 なお、総会のおわりに千曲市の和田重昭議長は、千曲市長が先月、技術的問題から新幹線新駅の設置を事実上断念したことを報告。「県下18市の議長に期成同盟会の顧問に就任していただくなど、これまで多大な支援をいただいた」と謝意を表した。

一覧へ戻る

14日間無料トライアルのお申し込みはこちら14日間無料トライアルのお申し込みはこちら
03-3823-6006【平日】10時~18時
エリアカテゴリー
業種で探す
土木
建築
電気
管設備
業務委託
その他
発注機関で探す
国(関東)・法人・民間など
茨城
栃木
群馬
埼玉
千葉
東京
神奈川
新潟
山梨
長野