業界記事

特養ホーム交付金で戸惑い/三位一体改革でしわ寄せ

2005-04-15

 補助金から交付金制度へ三位一体改革の中でも柱になる大きな流れである。交付金によって県の裁量権がクローズアップされ便利になるはずと思われているが、特別養護老人ホーム整備事業では交付金がまだ県に示されておらず思わぬところで補助内示、施設整備へのスムーズな流れがとだえている。県は1290人分の施設整備予算を確保しているが、交付金の通知が満額なのか計画に沿った内示でくるのか不透明な部分が多く例年だと3月に内示する施設名を決定できていない。この現状を紹介する。
 特別養護老人ホーム整備は16年度までは施設ごとの協議書を厚生労働省に提出し受理されると国庫補助がついたと判断しホームページ上に法人名、創設か増床、設置場所などを掲載していた。しかし、今年度からは小泉内閣が掲げる三位一体改革の補助金改革に伴い、特別養護老人ホーム整備に関しては交付金扱いになり、各県の計画書提出を鑑み厚生労働省が一括で交付金を拠出し、その金額と各県が確保した予算をやりくりし補助内示するシステムとなった。
 一般的に裁量権が拡大し国の「ひも付き補助」にならないことから「使い勝手が良い」と歓迎される交付金だが、実は交付金が当初の計画と目算どおりに内示されるのかどうか、正式に内示されるのはいつかといった問題がすでに起きていることが分かった。
 県では今年度創設1020人、増床270人の合計1290人分の施設整備費を予算化している。国の基準では特別養護老人ホーム1人あたり標準で225万円の補助となっている。しかし、「標準的」であってそのまま例えば225万円×1290人分の交付金が削られることなくしかもいつの時期に交付金内示が県に通知されるのか未定としている。したがって、今年度の施設整備予定者への補助内示やその協議にも入れていないのが現状のようだ。
 県では、交付金通知を待って協議することになる。実際に各施設整備予定者への内示手続きは今夏ごろになるもよう。
 もし予定よりも交付金が少ない場合には、16年度と同様に6月と9月の議会に補正で増額措置するか、場合によっては施設整備予定者に1年待ってもらうか、ないしは県が保証人となり借金をしていただくかなどのさまざまなパターンが想定される。
 厚生労働省が本県の高齢者人口割合を勘案し定めた15年度から19年度までの特別養護老人ホーム整備計画「ゴールドプラン」は、1万7500人としている。しかし、上田知事は同省の計算式は全国平均での数値であるとし、現在は最も若い県である本県だが、わずか数年で段階の世代が退職するころには高齢化上昇率が全国一位になると統計で示されていることを指摘、22年度までの特別養護老人ホーム2万人をこの3年間で前倒しすることにした。
 上田知事はそのことをマニフェストでも示し、19年度まで2500人を上乗せし2万人分整備することにしている。
 県では1290人分の予算を確保しているが、これには政令市のさいたま市と川越市のように中核市の計画はカウントしていない。

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