業界記事

中越大震災発生から5か月、復興ビジョン策定作業進む

2005-03-24

 中越大震災発生から23日で5か月が経過したが、震災復興に向けて新潟県や被災自治体、民間組織等で復興ビジョン策定作業が進んでいる。新潟県の「震災復興ビジョン」は今月上旬に、北陸建設弘済会が事務局となり民間研究会が作成した「山古志復興新ビジョン(中間報告)」は今月中旬にそれぞれまとまったところ。また、山古志村では独自で「山古志復興プラン」を作成し、4月から編入合併する長岡市に提出したほか、長岡市では長岡市復興委員会をこのほど立ち上げ、復興計画を6月中旬を目途に作成する方向で検討に入った。
 各機関の取り組み状況は次の通り。
[新潟県]
 昨年12月より民間有識者らで策定作業を進めてきた「新潟県中越大震災復興ビジョン」がまとまり、3月1日に泉田裕彦県知事に提出された。
 同ビジョンは県としての震災復興のあるべき姿・理念を示すもの。特に日本の中山間地の復興モデルとするべく全国への情報発信として新潟県防災・安全立県宣言を提案しており、民間活力を最大限動員した震災復興を目指す方針を盛り込んだ。ビジョンが示す地域イメージは「最素朴と最新鋭が絶妙に組み合わさり、都市・川・棚田・山が一体となって光輝く中越」。基本方針として<1>情報公開によるwin-win(お互いにいい)復興<2>中山間地の段階的復興と魅力を活かした新産業の計画的生み出し<3>産業の持続的発展のための条件整備<4>安全・安心な市民自治の確立<5>市民安全にかかわる新しい学問・研究の開拓<6>他地域・全国・他国への貢献―を掲げている。
 ビジョンを基に中越大震災復興の理念と成果の全県展開を図るとともに、民間活力の最大限の動員による震災復興を目指す。
 新潟県では、同ビジョンを受けて新年度に中山間集落の復興など震災復興に向けたインフラ、産業、福祉など総合的な復興事業計画を策定し、その実現を図る方針。実施計画策定は6月をメドとし、策定にあたっては市町村、民間団体、学識経験者等で構成する検討委員会や分野別に具体的な復興事業を検討する部会を開催する予定。
[山古志復興新ビジョン研究会]
 中越大震災で甚大な被害を受けた山古志村を中心とした地域の再生計画策定を目指す民間組織「山古志復興新ビジョン研究会」(委員長・江村隆三新潟経済同友会筆頭代表幹事)がビジョンを作成。同ビジョンは北陸建設弘済会が事務局となり、山古志村の将来に向けたストーリーやプラン、実現プロセス等を可能な限り検証し、復興への取り組み方策を提案するもの。
 中間報告では、まず集落再建に関し山古志村民の早期帰村の「想い」に応え、安全な暮らしを確保するため<1>「中越地域安全判定委員会(仮称)」の発足と現地調査の実施<2>復帰型、移転型、再移転型の3つの方式による帰村方法―を提示。また、平成18年中の全集落帰村を目標として「帰村期」(平成17~19年)、「復旧期」(平成19~20年)、「復興期」(平成21年~)の3段階で復興を進めるスケジュールを示している。
 また、住民の自立した生活をサポートするための復興に向けたリーディングプロジェクトとして「結び(交流)のむらづくり」「防災フロンティアエリア」構想案を作成。「(株)山古志村(仮称)」の創業や「山古志防災学び館(仮称)」の設置、積雪(豪雪)資料館の設置、道の駅等の公共施設の整備・活用、公共施設での雪氷・冷熱エネルギーの活用、防災研究(大学)共同施設の検討、震災メモリアルエリアの検討、中越地域への防災大学院等の誘致などをメニューに盛り込み、住民に対してどの施策が実際に必要であるかを諮る方針。
 今後、地元住民へのヒアリング調査を実施した後、5月上旬にも最終報告をまとめる見通し。
[長岡市]
 3月中旬に長岡市が長岡市復興委員会を設置。市内の3大学の学長や商工会議所会頭、医師会会長ら8人をメンバーとし、今後作成する中越大震災や7・13水害からの復興計画について審議し、提言や助言を行う予定。
 長岡市では、昨年12月に発足し、復興に向けての課題や具体的な活動などを幅広く検討している「大地復興推進会議」(代表世話人・平井邦彦長岡造形大学教授)の議論や、4月1日に周辺5町村と合併後、各支所ごとに設置する「地域委員会」の提言、市民の意見などを復興委員会に反映させながら、4月中旬までに復興計画の骨子案を作成し、6月中旬を目途に復興計画をまとめる。
[山古志村]
 山古志村では、村がまとめた中越大震災からの「山古志復興プラン骨子」を4月に合併する長岡市に提出した。
 計画では、全村民が帰村する目標時期を来年の9月までに設定。また、各種施策の実施時期を3段階(来年9月までを第1期、平成21年4月までを第2期、それ以降を第3期に設定)に分けながら、道路やライフラインの復旧、新しい山村文化の創造などについて復旧・復興の方針を提示。主要プロジェクトとしては、<1>克雪、低コストの中山間地型復興モデル住宅整備<2>ネットワーク型防災社会の構築<3>山古志ブランド農業の創造<4>錦鯉の聖地としての交流拡大<5>滞在交流型リゾートの形成<6>山古志街道の整備<7>再建住宅の景観ガイドライン策定<8>山古志情報センターの整備―の8事業を掲げ、今まで以上に地域の価値を高めることを目指す。
[その他]
 特に被害の大きかった小千谷市、川口町、小国町、魚沼市でもそれぞれビジョン策定に向けて意見募集等を開始するなど、着々と準備を進めている。

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