業界記事

分譲事業から撤退へ/住宅供給公社

2005-03-02

 厳しい経営を強いられている県住宅供給公社の今後のあり方を検討している県の住宅供給公社対策会議(座長=角田芳夫副知事)は、緊急に取り組むべき施策(中間とりまとめ)を発表した。それによると、住宅・宅地分譲事業の当面の方針として<1>用地取得を伴う新たな宅地開発を行わず、保有土地の処分をもって住宅・宅地分譲事業からは撤退する<2>分譲中の団地は当面5年間を集中的な処分推進期間とし、「ここ数年の分譲実績の2倍以上」の販売を目標とする。
 方針に基づく当面の対策としては<1>分譲中団地は、民間との共同分譲や民間への一括分譲など、民間の営業力を最大限活用する<2>事業を凍結している団地は現況処分を推進し、それが困難な場合は住宅地以外のさまざまな土地利用の可能性を検討するなど、抜本的な開発方針の見直しを行う-を示している。
 これらに基づき、団地ごとの当面の対策(別表参照)も打ち出した。
 分譲中の10団地(在庫合計934戸区画)は、民間事業者との共同や地元との営業面での協力などを提示。事業を凍結している6団地(合計224万4100㎡)では、現況処分や開発方針の見直しなどを行うが、水戸ニュータウンの2期・3期の業務機能誘致は積極的に推進するとしている。
 対策会議は、県議会の提言や学部有識者による「県住宅供給公社あり方検討委員会」の報告書などを踏まえ、今後の公社の事業展開、組織、中期計画の策定、経営改善対策などを協議するため昨年1月に設置。メンバーは出納長や土木部長、公社副理事長などで、これまで6回にわたり開催した。
 その中で、公社の会計について、平成17年度決算から、資産の回収可能額(販売価格)が著しく簿価を下回った場合に簿価を実態に合った価格まで減額して処理する「減損会計」の導入が確実になったため、16年度に予定していた公社保有土地の不動産鑑定や資産の再評価を17年度に行うことになった。
 そのため16年度は、公社の各事業にわたり緊急に取り組むべき施策を検討し、中間とりまとめを行った。
 中間とりまとめでは、公社の現状として、土地約320haを所有しているが、借入金は約705億円、支払利息は年約10億円に達し、15年度決算でも約4億3000万円の経常損失が発生するなど、分譲収入が必要経費を下回り借入金の圧縮ができない厳しい経営を強いられている、と分析。
 そのため、当面の対策として<1>用地取得を伴う新たな宅地開発を行わず、保有土地の処分で住宅・宅地分譲事業からは撤退<2>分譲中団地は当面5年間は「ここ数年の分譲実績の2倍以上」の販売を目標とする-を提示。
 分譲中の団地は、民間の営業力を最大限活用し、凍結中の団地は現況処分、それが困難な場合は住宅地以外の土地利用など抜本的な開発方針の見直しを行う、としている。
 対策会議では今後、公社が保有する土地の不動産鑑定や資産の再評価を17年度に行って財務の実態を把握し、必要に応じ速やかに県として対策を検討していく。
 中間とりまとめで示した今後の方針と当面の対策は次のとおり。
【住宅・宅地分譲事業】
◆方針
 <1>用地取得を伴う新たな宅地開発は行わず、保有土地の処分をもって住宅・宅地分譲事業から撤退。
 <2>分譲中の団地は、当面の5年間を集中的な処分推進期間とし、「ここ数年の分譲実績の2倍以上」の販売を目標として在庫処分を進める。
◆当面の対策
 <1>分譲中団地は、民間との共同分譲や民間への一括分譲など、民間の営業力を最大限活用する方策を主たる販売方法とする。
 <2>事業を凍結している団地は現況処分を推進し、それが困難な場合は住宅地以外のさまざまな土地利用の可能性を検討するなど、抜本的な開発方針の見直しを行う。
 <3>民間人の登用による販売体制の強化を図る。
【その他の事業の方針等】
◆ケア付高齢者賃貸住宅事業=入居金や管理費などにさまざまなバリエーションを採り入れた入居条件や介護施設の充実などを検討し、入居率アップのための施策を講じる。
◆特定優良賃貸住宅事業
 <1>家賃設定の見直し、募集PR強化など、入居率アップを図る。
 <2>住宅金融公庫の連帯債務は、民間金融機関への借り換えなどを促進し、解消を進める。
 <3>公社立替金の回収には法的措置も検討する。
◆受託事業その他=桜の郷整備事業等の受託事業は、公社の造成技術を活用した事業であり、経営改善にも資するため今後の積極的に実施する。
【財務の改善】
◆徹底的な経費の節減・合理化=職員退職者の不補充。給与カット。管理職の削減。事務費の節減。
◆確実な収入の確保=当面の対策の実行。処分可能な資産(既成団地の余剰地等)の早期処分。
【県の支援】
◆財政的支援=宅地販売促進に資する無利子貸付金の増額。
◆人的支援=民間からの任期付き職員の採用。総合的に公社対策を行う組織の設置。
【公社への指導監督の強化】
◆上記の方針に基づき、速やかに土地処分等を実行するため、販売を中心とした体制の整備を指示するとともに、団地ごとの具体的な処分方策やスケジュール等を定めた緊急対応プログラムの策定を指導する。
【今後検討すべき課題】
◆固定資産の減損会計への対応
◆中・長期的な経営改善計画の策定

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