業界記事

新分野進出ライブラリ50

2004-10-27

 ■新分野・新市場への取組又は先進的な取組等(以下「当該取組」という。)のテーマ
◇従来から給水管の更新工事を専門としてきたが、排水管のリニューアル技術を開発し、この市場に新たに参入。
 ■当該取組の内容
◇排水管は管径が階毎に変わり、防水層との取り合い部もある。それらに均等にエポキシ樹脂をコーティングしていくために、ポリエステル繊維の丸編みチューブを一種のスペーサーとして樹脂の塗厚を確保し、枝管は吹付工法、一部手塗りなど現場をよく知った工法であり、信頼性は高い。
 ■当該取組との出合い又はアイデア発案の契機
◇給水管のリニューアル工事を行っていたが、排水管(特に白ガス管を用いた雑排水管)の痛みが激しく工事の需要が多い事を知る。
 大口径の下水道管の更新工法として反転工法があることを知り、小口径のビル内排水管に応用できると思い、研究を開始した。給水管への適用は環境ホルモン(ビスフェノールA)の問題があり、排水管への応用を行うことにした。
 ■社長の役割と社内の実行体制
◇中尾朝夫代表取締役が、反転工法の小口径管への応用の将来性に着目し、実弟の中尾慧理夫取締役に開発を指示し、社内(湘南事業所)にて実験を繰り返して実用化した。
 ■従業員教育、新規の人材確保等の方法
◇中尾慧理夫氏中心に、社長のご子息、中尾直司取締役と協力して、新工法の従業員教育を行っている。従来のエポキシ樹脂吹付工法より、新規開発のマルライナー工法(反転工法)にシフトさせる。
 ■事業化までに至る間で苦心した(苦心すると思われる)こと、及び成功の要因
◇技術的苦労よりも開発中の資金繰りに苦心した。マンションの更新工事なども、話がまとまるまでに時間がかかるのも困る。
 成功の要因としては、工法として短工期、低騒音、廃棄物が少ない、全更新より低コストなどメリットが多いので口コミで仕事が続いたのだと思っている。
 ■相談・助言、情報収集等の相手先。外部組織と連携した場合は相手先との連携形態
◇NPO法人リニューアル技術開発協会に参加し、講習会などから情報を得ている。協会の須山氏からはいつも励ましの言葉をもらっている。
 2002年秋、橋本総業(管材の商社)と組んでビッグサイトの建材店に出品したところ、反響が大きく引き合いが増えた。橋本総業の受注したものの施工を行うことにより工事量が増えるメリットがある。
 ■当該取組の主たる顧客(活動領域)等
◇マンション、ビルの管理会社
 東急コミュニティー、ダイワ団地、ホームサービスなどから直接話が来る。専門の営業担当者はいない。開発者が受け持っている。
 ■当該取組の差別化等のポイント
◇排水管のリニューアル工法で、最も信頼性が高い工法であると考えている。エポキシ樹脂の厚みの確保、付着の確実性など結果が確認される点も優れている。
 ■当該取組への投資額及び必要資金の調達法
◇国民金融公庫を専ら頼りにしている。4800万円まで融資が受けられる。開発資金と言うより運転資金である。
 ■当該取組に係る事業のスタートから現在までの売上及び利益の推移
◇2003年には1億3000万円の売り上げで、反転工法(マルライナー工法)が半分以上を占めている。いずれこの工法を中心とした排水管更新工事が主な業務となるだろう。
 ■当該取組の大きな成果と思われるもの
◇反転工法(マルライナー工法)を持ったことにより、工事の顧客満足度が高くなった。
 工法に対する反響が大きく引き合いが増えた。
 ■今後の課題と解決方針
◇何よりこの工法で利益を上げていきたい。それには、施工のための人材を確保しなければならない。工法の適用範囲を広げ、段取りの出来る人を確保し、作業員を継続して使いこなしていく必要がある。
 ■公的助成・支援制度の活用状況(これら制度の改善要望などもあれば併せて記述)
◇運転資金がほしい。単発でなく、継続して助成してもらえるとよい。
 工法の性能について公的機関の認定がほしいが、費用がかかり過ぎるので困っている。
 ■その他の特記事項
◇これからはホームページの利用が大切だと思うが、専門家がいないので片手間になってしまう。もっと充実させれば効果が上がると思っている。

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