業界記事

災害ゼロに満足せず/建設業労働災害防止協会伊藤正人専務理事に聞く(その2)

2004-10-18

<労働災害防止のための広報、啓発事業>
 次に第3の問題に対応した事業として、広報、啓発、教育活動があります。
 広報活動としては、協会の機関誌「建設の安全」を通じて新しい安全衛生情報等を伝えるほか、全国安全週間等に際して会員事業場が実施する安全対策などをまとめた実施要領等を作成するなど、安全衛生対策の向上と促進を図ってきたところです。引き続き迅速な情報伝達に努めるとともにホームページの充実にも力を入れたいと考えております。
 啓発活動としては、毎年開催している全国建設業労働災害防止大会のほか、都道府県支部等が実施する安全大会や企業等が行う安全推進大会等への協力・支援があります。これらの大会は、定期的に労働災害防止の必要性を訴え、安全衛生活動への熱意を喚起する重要な手段であると思います。
<安全衛生教育事業>
 安全衛生教育については、建設業の店社や現場の管理者に対する教育、作業主任者や技能者の養成講習、職長に対する教育等を積極的に実施してきており、これらの安全衛生教育を通じて安全衛生に対する意識が高まり、労働災害の大幅な減少につながってきたと考えております。しかしながら、今なお作業者の不安全行動、すなわちヒューマンエラーによる労働災害が多数発生している状況にあります。
 このため、建災防では、現場の最先端で働く一人ひとりの安全衛生意識を高めるとともに労働災害防止への意欲を持ち続けてもらうことが重要という観点から、「建設工事に従事する労働者に対する安全衛生教育に関する指針」を作成いたしました。
 その後、厚生労働省並びに国土交通省におかれては、この指針の内容を踏まえて「建設工事に従事する労働者に対する安全衛生教育」の推進を図ることとされたところでありまして、両省のご指導の下、建災防においては各支部が事業者に代わって安全衛生教育を実施しております。
 建災防としては、今後もその時代及び業界のニーズに即した安全衛生教育の実施と必要な教材の開発、見直し等に取り組んでまいりたいと考えております。
<国からの委託事業>
 次に、従前からの課題に対する取り組み状況として、国からの委託事業の実施状況について説明させていただきます。建災防では、平成15年度まで「専門工事業者安全管理活動等促進事業」、「木造住宅等低層住宅建築工事安全対策推進モデル事業」、「中小総合工事業者指導力向上事業」及び「安全優良職長ネットワーク事業」の4事業を推進してきたところですが、今年度からは、新たに「手すり先行工法安全対策推進モデル事業」が加わりました。
 このうち専門工事業者安全管理活動等促進事業は、工事を直接施工する専門工事業自らの安全管理能力を高め、自主的な安全衛生活動の促進を図ることを目的に、平成6年度から3カ年を1サイクルとして実施してきたところです。
 従来から専門工事業者の安全衛生管理は、元請事業者の指導の下に行われてきており、安全管理を自ら計画的かつ継続的に実施するには至っていない状況にありました。しかし、近年の建設産業の再編や発注形態の変化などにより、元請事業者主導の安全衛生管理から専門工事業者の自律的な安全衛生管理への転換が求められる状況に至っております。
 このため、平成15年度から本事業の中で専門工事業者に対するコスモスの導入支援を進めているところです。具体的には、専門工事業者がコスモスを容易に構築できるように業種別の標準モデルや危険有害要因の特定マニュアルなどを作成し、本部と支部が一体となってコスモスの普及・定着を図ることとしております。
 次に、今年度から取り組みが始まりました「手すり先行工法安全対策推進モデル事業」では、ビル建築等を請け負う中小総合工事業者等を対象に、手すり先行工法による工事の 実施や作業計画作成の技術的支援等を行うこととしております。なお、平成8年度から展開してきました木造住宅等低層住宅建築工事安全対策推進モデル事業では、足場先行工法の普及等によって墜落による死亡災害が半減するという成果が認められたところでありますので、このモデル事業でも墜落災害の防止について大きな成果が得られるものと期待しています。

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