業界記事
各候補地を訪ねて<3>
2004-10-14
タワー誘致県議会市議会議員懇話会の都内候補地視察同行取材記の第3回目の今日を最終回とし、今後の活動や課題などのまとめをリポートする。
足立区や豊島区、台東区などの各候補地については連載で紹介したように、法律の緩和措置、敷地面積、さらには周辺環境などのロケーション的に少々無理があることは事実である。その点、新都心地区ではすべての法律規制はかからず、周辺も観光客を呼ぶにふさわしい盆栽会館、ジョン・レノン・ミュージアム、アリーナなどさまざまな都市型施設が立地し互いの相乗効果を生み出し、新たな関東の「顔」となるだろう。したがって、あるゆる角度から見て新都心への誘致は積極的でない方も放送事業者には多いが、消去法から言っても当然と言って良いのではないだろうか。
また、他の候補地と誘致活動に関して大きく異なることは、本県は財界、自治体、議員団らすべての団体らが一体的となった誘致活動を見せ、9月の大連合会でもわかるように15000人が参加している。つまり、県民創意の「情熱」が火の玉となっている。それに対して、他の候補地は石原知事自身が「もういらない」、「建設認可は認めない」などの発言をしているようにバラバラな状況。豊島区もここにきて本腰を入れているが、敷地面と稼動中の独立行政法人を対象としていることから、この1、2年で調整決着することは難しい。
新都心への立地での有利なことは明かであるが、問題は最終判断が放送事業者の胸の内にあるということだ。この点については一応に県職員、議員団も「悔しい」と言っている。放送事業者を納得させるアンテナ角度による電波障害面のクリア、魅力的なタワー事業計画、そして県民の情熱を最後にどう訴えるか最終的な段階の今こそ再考し積み上げる必要がある。
また、タワーそのものの重要性はデジタル放送を実施するといった本来の機能だけではなく、家電メーカーもテレビ、時計、携帯電話などあらゆる通信・電気分野にも及ぶため、非常にその動向に注目している。したがって、その経済効果はこれまで言い伝えられた観光面だけではなく、家庭電化製品需要をも喚起することから、重要性と同時にそうした団体との連携も深め、新都心へのタワー誘致を促進するー組織面の強化も検討しなくてはいけない気がする。
懇話会会長を務める深井県議は「国会議員、総務省への説明を11月から12月にかけて終えたい」と意欲を示す。どう決着するのか現時点では誰もわからない。(終わり)(渡辺喜光担当)
一覧へ戻る