業界記事
着実な社会資本整備を/入札・契約制度など7項目
2004-10-12
平成16年度関東甲信越地方ブロック会議が7日、東京・千代田区大手町の経団連会館で開催された。各県協会の要望事項は▽公共事業費の安定的確保による社会資本整備の推進(山梨県協会)▽暮らしの安心と安全の確保(東建)▽地方の真の自立・再生に不可欠な社会資本整備の促進(新潟県協会)▽官公需法の堅持と地方中小建設業者の受注拡大(茨城県協会)▽地方公共団体の入札・契約制度のあり方(神奈川県協会)▽公正取引委員会が警告した不当廉売とダンピング防止対策(長野県協会)▽ユニットプライス型積算方式(埼玉県協会)、の7項目。山梨県協会と新潟県協会が要望した「社会資本整備の推進」について国土交通省は「平成17年度予算の概算要求額は非常に厳しいが、地域の活性化や災害対策など重点分野に予算を配分して着実な社会資本整備を推進したい」と回答した。7項目は全て採択され、全国建設業協会で取りまとめが行われる。
冒頭、石井由己雄会長(山梨県建設業協会会長)が「公共工事の激減により、ダンピングが多発し、品質の低下、労働災害の多発が懸念されている。建設業を取り巻く経営環境は厳しく、構造的変化が迫られている。各企業は自助努力により、独創性が発揮できる経営基盤の構築が重要である。より適切な入札契約制度を活用し、技術と経営に優れた企業が成長できる環境を整備していきたい」と挨拶した。
各県協会の要望に対する国土交通省の主な回答は、「公共事業費の安定的確保による社会資本整備の推進」(山梨県協会)についての回答は「平成17年度予算の概算要求額は非常に厳しいが、地域の活性化や災害対策など重点分野に予算を配分して着実な社会資本整備を推進したい」(新潟県の要望の回答もほぼ同様)。
「暮らしの安心と安全の確保」(東建)の回答は「台風による水害などの防災対策は普段余り恩恵は感じられず、災害が発生したときに効果を発揮する。災害対策を含めた公共事業の一般国民へのPRについて官民で知恵を出し合っていきたい」。
「官公需法の堅持と地方中小建設業者の受注拡大」(茨城県協会)の回答は「建設業は地域の経済、雇用、安心・安全を担う産業であり、地域の中小建設業の受注機会の確保に努めたい」。
「地方公共団体の入札・契約制度のあり方」(神奈川県協会)の回答は「予定価格及び最低制限価格の事前公表の廃止の要望については、各自治体に地域の実情を踏まえて適切に判断してほしいと要請している。価格だけで選んでいるところに根本的な問題がある。技術・品質を含めた競争になるように総合的な観点から取り組んでいく」。
「公正取引委員会が警告した不当廉売とダンピング防止対策」(長野県協会)の回答は神奈川県協会への回答と類似しているが「個々の具体的問題を検討し、不当廉売やダンピング対策の実効性の浸透を図っていきたい」。
「ユニットプライス型積算方式」(埼玉県協会)の回答は「ユニットプライス型積算方式は、受注各社の技術やノウハウを駆使してよいものをつくる、という取り組みの一環でつくられた制度である。しかし、ダンピングが多発すると、低い価格の方に引っぱられる懸念があるのは理解できる。不当なダンピングはデータとしてはじくシステムを構築するなどしてユニットプライス型積算が適正に運用されるよう工夫したい」。
一覧へ戻る