業界記事
設計総点検の試行へ/川越など5事務所で
2004-10-08
県土整備部は「設計総点検要領」を策定し、それに基づき総点検の試行に正式着手する。試行は、川越、熊谷、飯能、東松山、朝霞の5県土整備事務所が予備設計、詳細設計、工事発注前、施工中の4段階での案件をピックアップし本課との協議で対象案件を選定する。17年1月までに試行を終え、3月までに検証を実施。17年度からは全庁的に広めたいとしている。要領の中には新技術・工法選択、仕様、構造物形状などの着目項目を設定している。
コスト縮減に努めている県土整備部では、設計段階において再度の設計見直しなどをすべく「設計総点検要領」のマニュアルを策定した。マニュアルに沿って試行をいよいよ本格的に実施する。
「設計総点検要領」は「予備設計段階」「詳細設計段階」「工事発注段階」「施工中段階」の4段階に分けて着眼点を各項目ごとに盛り込んでいる。
例えば、予備設計段階では周辺事業との関係、位置関係、設計条件、構造物の形状規格など。
詳細設計段階では、上記の予備設計の項目に加え仮設施設設計、新技術および新工法の選択などをあげている。
工事発注段階では、ロット、仕様、仮設設計、構造物の形状形式、周辺事業との関係、工事工程など。
施工中段階では、仕様、新技術、新工法の選択、周辺施設との関係、構造物の構造形状形式など。
試行を進めるにあたり、川越、熊谷、飯能、東松山、朝霞の5つの県土整備事務所が各段階ごとの候補案件をピックアップしている。今後技術管理課と各整備事務所が協議し正式な対象案件を設定し、本格的に試行に乗り出す。
各県土整備事務所はチームを組織し点検要領項目をそれぞれチェックし見直しをかけてコスト縮減に努めていく。
今月から17年1月にかけて点検を各事務所は終了し、その後コストの効果はどの程度か検証し、把握することとなる。試行結果を受けて、17年度は全庁的にすべての部局に広げ実施していく。なお、今回は県土整備部バージョンにしていることから、他の部局は同部のマニュアルをベースに改良して進めていくことになる見込み。
国土交通省では14年度に当時の大石技監の肝いりで「設計作業の総点検マニュアル」を策定し各地方整備局が取り組んでいた。
東北整備局は15年度の設計総点検を公表した。それによれば264件を対象に実施し、10・4%のコスト縮減を達成している。各段階ごとで見ると予備設計12・5%、詳細設計11・3%、発注段階9%、施工中5・6%だった。また、北陸整備局では328件の設計総点検を実施、コスト縮減効果が見込まれるものが237件、見直しの必要がないものが91件だった。各段階ごとに見ると予備設計段階22・2%、詳細設計20・8%、発注7・8%、施工8・2%となっている。
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