業界記事
県内調査/「那珂川新橋」早期完成を/国道118号那珂大宮バイパス促進へ
2004-10-07
茨城県議会土木委員会(小川一成委員長)による茨城県大宮土木事務所(江橋正技監兼所長)と茨城県大子土木事業所(鯉渕真佐雄所長)の管内調査が1日に行われた。午前中に大宮土木の管内調査会議を行った後、午後には大子土木の管内調査会議および両土木管内の現地調査を実施。管内調査会議では、管内市町村から道路河川における整備促進の要望があったほか、両土木が事務事業など概要を説明した。今年度の主要事業として大宮土木では、国道118号「那珂~大宮バイパス」道路橋梁改築事業において、ジャスコ付近から大宮バイパス付近までの本工事約700mおよび瓜連町区間の用地買収を実施。大子土木では、国道118号の袋田バイパス道路改築事業において下津原、袋田、南田気地区の用地買収および補償などを進めていく。一方、当日の現地調査では、大宮土木管内で緒川ダム中止関連対策事業として進めている県道下桧沢上小瀬線を視察したほか、大子土木管内では大子広域公園整備事業として整備したオートキャンプ場を見て回った。
県大宮土木事務所では、江橋所長が「16日には大宮町など周辺5町村が合併して常陸大宮市となるほか、来年1月21日には那珂市が誕生し、管内は3市1村となる。この地域特性を生かし、社会生活充実のため工事および業務の執行に努めていきたい」とあいさつ。
これに対し、小川委員長が「合併に伴ってなくなる美和村、緒川村等が心配ないよう、土木委員会としてもフォローしていきたい」と述べ、この管内については「太平洋から山間地域まで広く、発展と可能性がある地域。今日の意見を参考にしたい」と語った。
さらに、江橋所長が事務事業等の概要を説明。それによる今年度の事業費は、前年度と比べて約1億5000万円減の38億7900万2000円で、工事数が109箇所。このほか、昨年度から工事数57か所の事業費16億457万2000円が繰越されている。
主な事業として16年度は、国道118号の「那珂~大宮バイパス」道路橋梁改築事業、国道245号「ひたちなか市・東海村4車線拡幅」道路橋梁改築事業、県道下桧沢小瀬線道路改良事業に着手。
また、県道常北那珂線(仮・那珂川新橋)道路改良事業、一級河川「中丸川」河川改修事業、阿字ケ浦海岸浸食対策事業などに取り組んでいく方針だ。
引き続き、矢数浩大宮町長が管内の市町村を代表して「広い管内で事業は異なっているが、いずれも社会資本整備が途上。限られた予算だと思うが今後も円滑な事業執行をお願いしたい」などとあいさつ。
江橋所長が、これまでの市町村要望に対する状況を説明し、各市町村が重点事業の整備促進を要望した。
質疑では、中丸川の河川改修や国道118号の4車線化について話し合い、意見を交換。
市町村要望に対する今後の取り組みとして、坂入健土木部長は「国が補助金廃止で地方への財源移譲を方針付けている中、公共事業に関して3%カットとしているが、概算要望においては2割増まで認められている。引き続き財源確保を第一に進めていきたい」などと応えた。
その後の現地調査では、一行が美和村下桧沢と緒川村上小瀬地内に向かい、県道下桧沢上小瀬線における道路改良事業の進ちょく状況を調査した。
なお、管内市町村からの要望事項は次のとおり。
◆ひたちなか市=<1>一級河川中丸川河川改修の促進<2>国道245号の4車線化及び湊大橋の架け替え整備促進<3>阿字ケ浦海岸の恒久的保全対策の促進<4>市道東中根高場線の県道昇格及び整備促進<5>主要地方道の交通安全施設の整備促進(県道中根平磯磯崎線)<6>主要地方道の整備促進(県道水戸那珂湊線)
◆東海村=<1>県道常陸那珂港山方線の整備促進<2>国道6号及び国道245号の4車線化の整備促進<3>新川改修の促進
◆那珂町=<1>早戸川改修の整備促進<2>県道常北那珂線の整備促進(那珂川架橋)<3>県道常陸那珂港山方線の整備促進(久慈川架橋)<4>菅谷飯田線の整備促進<5>国道118号バイパスの整備促進
◆瓜連町=<1>国道118号の4車線化事業の促進<2>県道静大宮線バイパス化事業の促進<3>県道日立笠間線の事業の促進(都市計画街路3・5・100平野杉本線)<4>県道那珂瓜連線・瓜連中心市街地の道路拡幅事業の促進
◆大宮町=<1>国道118号の4車線化事業の促進<2>県道長沢水戸線の道路改良事業の促進<3>一級河川玉川改修事業の促進<4>一級河川久慈川改修(岩崎地内)事業の促進<5>県道大宮御前山線(都市計画道路宮中清水線)の道路改良事業の促進
◆山方町=<1>県道諸沢西金停車場線の整備促進<2>県道門井山方線の整備促進<3>県道山方大宮線の整備促進<4>県道山方水府線の整備促進<5>水辺空間づくりの整備促進(盛金)
◆美和村=<1>ダム関連の県道常陸太田烏山線及び県道下桧沢上小瀬線の整備促進<2>県道常陸太田烏山線の整備促進<3>県道小田野口中ノ坪線の整備促進<4>県道上桧沢下小川停車場線の整備促進
◆緒川村=<1>主要地方道烏山御前山線の改良と一級河川緒川の改修促進<2>県道下桧沢上小瀬線改良工事の促進<3>県道山内上小瀬線改良工事の促進<4>県代行事業村道馬打沢線改良工事の促進
◇ ◇
県大子土木事業所では、鯉渕所長が管内の概況に触れながら「大子町活性化のため道路河川の継続的な整備を考えている。地域の理解を得ながら重点事業を効率的に進めていきたい」とあいさつ。
小川委員長は「地域密着型の整備を視野に入れながら、今後も効果的で効率的な事業の推進を」などと語った。
続いて鯉渕所長が事務事業等の概要を説明。このうち今年度の全体事業費は、前年度比1億円弱減の14億2918万4000円で工事が67か所。また、昨年度からの繰越分が25か所で7億701万3000円。
今年度の主要事業として、国道118号袋田バイパス道路改築事業をはじめ、一級河川「久慈川」特定河川緊急整備事業、大子広域公園都市公園整備事業、国道461号国補交通安全(1種)事業を進めていく。
続いて、飯村精造大子町長が「本町は観光を軸に基幹産業を進めているが過疎化が進んでいる現況。そのため観光客の往来ルートとなる国道118号の袋田バイパスを重点事業に位置付けている。引き続き整備をお願いしたい」と要望を含めてあいさつ。
これに対し、鯉渕所長が過去3年間における要望事項(いずれも国道118号袋田バイパス整備)について対応状況を説明。
それによると、今年度の袋田バイパス整備は、下津原・袋田地区の用地測量を進めながら、南田気地区もあわせて用地取得に努める予定。8月には袋田地区の用地買収を行い、今後、全線の用地買収に着手する方針。
工事では、北田気地区の拡幅において隣接箇所を優先的に進め、一定の用地買収が済んだ所から工事を進めていく。
最後に坂入土木部長が「間もなく紅葉のシーズンで、観光客はたった一本の国道(118号)を頼りに来る。同路線の整備を重点箇所として対応したいが地元の用地が必要不可欠。変わらぬ協力をお願いしたい」などと応えた。
一方、現地調査では、平成14年7月にオープンした大子広域公園のオートキャンプ場を訪れ、新たなスポーツ・レクリエーション活動の核となる公園を視察。大子土木側から、16年度に散策路や修景等の整備を実施すること-などの説明を受けた。
なお、要望・課題事項は次のとおり。
◆大子町=<1>国道118号袋田バイパス建設事業の促進<2>久慈川特定河川緊急整備事業の促進<3>過疎代行(町道3313号線)事業の促進<4>国道461号の整備促進
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