業界記事

加速器D工区発注へ/J-PARC計画の進捗/ニュートリノ棟にも着手

2004-10-07

 日本原子力研究所と高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、東海村の原研東海研究所の南地区に建設を進めている大強度陽子加速器(J-PARC)計画の進ちょく状況を、このほど開かれた県議会環境商工委員会の県内調査で説明した。それによると、施設整備計画では、全体計画の3加速器施設・4研究施設のうち、これまでにすべての加速器施設、2研究施設に着工。そのうちKEKが担当する50Ge5シンクロトロン施設は、A~D工区のうちA、B、C工区に着工。残るD工区を今年度内に発注する。ニュートリノ実験施設(KEKが担当)も今年度から整備に着手する予定。現地では今年9月末現在で、原研関係28件、KEK関係10件の建設工事が進んでいるという。
 施設建設工事は平成13年度に着工。順次、各施設・設備の整備を進め、最初のビーム実験開始は18年度、施設供用開始は20年度を予定している(工事工程一覧表を参照)。
 大強度陽子加速器(J-PARC)計画の進ちょくは次のとおり。
【全体計画】
 大強度の陽子ビームを金属ターゲットに当て、発生する二次粒子(中性子、中間子、ニュートリノ、ミュオンなど)を、生命科学や物質科学、原子核素粒子研究、宇宙物理やエネルギー研究などに用いて、様々な分野の研究を飛躍的に発展させるための世界最先端研究施設。日本原子力研究所(原研)と高エネルギー加速器研究機構(KEK)が共同で、原研東海研究所南地区(東海村)に建設を進めている。
【加速器施設】
 <1>リニアック(線形加速器)=全長約330m(原研担当)。
 <2>30億電子ボルト(3GeV)シンクロトロン=周長約350m(原研担当)。
 <3>500億電子ボルト(50Ge5)シンクロトロン=周長約1600m(KEK担当)。
【研究施設】
 <1>物質・生命科学実験施設=世界最高性能の中性子ビーム利用施設(原研担当)。
 <2>原子核素粒子実験施設=世界唯一の中間子の本格的研究施設(KEK担当)。
 <3>ニュートリノ実験施設=16年度から第1期計画に組み込み(KEK担当)。
 <4>核変換実験施設=長寿命放射性廃棄物処理技術の研究(原研担当、第2期計画)。
【予算計画】
 全体予算1515億円(第1期分)=日本原子力研究所分865億円、高エネルネギー加速器研究機構分650億円。
【建設スケジュール】
 ・平成13年度=施設建設着手。
 ・平成18年度=加速器ビームテスト開始。
 ・平成20年度=施設稼動開始(ニュートリノ実験施設は21年度から)。
【平成16年度認可予算額】
 ・原研分=110億円(15年度は85億円)
 ・KEK分84億円(15年度は79億円)
【平成17年度概算要求】
 ・原研分=153億円
 ・KEK分=110億円
【建物工事の進ちょく】
 <1>リニアック棟建築工事(全長330m、高さ14m、幅48m)は約85%の進ちょくで、屋根や外壁を工事中。加速器を設置する地下トンネル部分では機器設置用埋込み金物(ベースプレート)を工事中。
 <2>3Ge5シンクロトロン棟工事も約70%の進ちょく。加速器用地下トンネルは1周が完成しており埋戻し工事中。中央部建家屋根、外壁工事を開始。
 <3>50GeVシンクロトロン(KEK担当)は、A~Dの4工区に分けて加速器用地下トンネル工事を施工。トンネル周長約1600mの一部(A工区)は5月に完成。現在はB-C工区を施工中(進ちょく率約40~60%)。D工区は今年度内に発注予定。
 <4>物質・生命科学実験施設は基礎杭打設工事(約240本)を終了。10月初句の大型機器据え付け場所の地下階部分鉄筋工事を施工中、進ちょく率は約20%。
 <5>原子核素粒子実験施設(KEK担当)は50GeVシンクロトロンからの接続トンネル部分を工事中。進ちょく率約30%。
 <6>ニュートリノ実験施設(KEK担当)は今年度から着手予定。東海村議会原子力問題調査特別委員会で審議中。
 ※平成16年9月現在、原研関係28件、KEK関係10件の建設工事が進行中。
【装置・機器製作】
 <1>リニアック=主要機器に関する契約終了。全体の約90%は契約完了。一部完成した加速装置をKEK(つくば)の実験室に設置して試験を実施中。昨年11月に最初の陽子ビーム加速(ファーストビーム)に成功。以降も順調に試験を継続中。来年4月ごろからリニアック棟への機器据え付け開始予定。
 <2>3GeVシンクロトロン=主要機器に関する契約終了。全体の約90%は契約完了。一部完成した電磁石を原研東海の実験室に設置して、磁場測定試験を実施中。来年8月頃から3GeVシンクロトロン棟への機器据え付け開始予定。
 <3>50GeVシンクロトロン(KEK担当)=主要機器に関する契約は、全体の約63%完了。機器はメーカー各工場で製作中。完成した機器は倉庫等で保管中。
 <4>物質・生命科学実験施設、原子核素粒子実験施設等の利用研究施設機器は、今後製作が本格化。現在は建物に組み込むような大型機器を製作中。
【その他】
 <1>50Ge5シンクロトロンエ事エリアで、中世(15世紀ごろ、室町時代)の製塩跡と推定される遺構が発見され、平成15年4月から茨城県教育財団による発掘調査を実施。平成16年8月に発掘終了、今後は遺物等の整理調査を実施。
 <2>茨城県及び県教育財団の協力により、発掘エリアと建設工程の調整を行い、施設全体の完成時期は遅延せず。
【サイエンスフロンティア21構想】
 J-PARCを中核として、周辺地域につくばと並ぶ新たな科学技術拠点の形成を目指す構想。県北地域活性化プログラムとして茨城県が検討を進める。原研・KEKは平成13年度から構想検討に協力。
 15年度は、茨城県がJ-PARCに設置する中性子利用研究ビームラインの検討に参画。16年度から2本の茨城県ビームラインの利用について検討開始。

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