業界記事

アセット・マネジメント/県管理の2600橋対象に

2004-10-01

 県土整備部は道路構造物を繰り返し修繕することで少しでも施設の寿命長期化を図ろうとする「アセット・マネジメント」の検討に着手する。対象は特に健全度の評価指標が分かりにくい橋梁から取り掛かりたいとしている。県管理の橋梁は約2600橋で、考え方としては橋梁延長、建設年度、橋梁タイプごとに分類し修繕のあり方、優先度付けなどを検討することになる見込み。時期は未定としながらも検討委員会も設置させる。
 「アセットマネジメント=asset・management」とは、直訳では「資産管理」を意味し、金融、銀行、不動産関連などでよく使い、道路構造物において資産を管理していくということを表す。とりわけ、道路においては、健全度の指標・管理、その行き着く先で将来的な修繕計画および修繕においてよりどの程度長持ちさせるかという考えにまで及ぶ。
 道路に係る構造物は例えば、完成し1、2年経過すると加重があまりにも大きいと健全度が下がり、年月を重ねるとともに健全度が下がり30年ほど経つと架け替えし一気に健全度が上がる。しかし、その繰り返しで架け替えによる予算投資よりも適切な修繕を毎年のように実施することで施設寿命が長くなり、架け替えによる予算よりも結果的に安くなるのるのではという判断材料=指標の検討を行うもの。
 県が考えているアセット・マネジメントは舗装、橋梁、トンネルのうち橋梁を手始めに行いたいとしている。道路であればわだち、ひび割れなどにより健全度の指標も説明しやすいが、橋梁については確立されていないことから橋梁から実施する。対象は約2600。すべてを一気に検討することではなく、建設年度、橋梁タイプ、橋長などの分類によりグループ分けし実施していく。そして、今後アセット・マネジメントを本格的に実施する場合の優先付けの目安にする。
 検討にあたっては時期は見たいだが、今年度内に職員を中心とする検討委員会も発足させたい意向のようだ。
 ただし、アセット・マネジメントにも課題があり、どの程度になったら架け替えが良いのか、或いはある一定の年数が経過すると毎年修繕していくのか、その判断は社会的には解明しづらく県民の納得のいく社会的根拠になりうるのかといった問題も指摘されている。
 例えば、長野県では信州大学工学部の三井教授と共同で「長野県道路橋梁点検マニュアル」なる職員でも簡易かつ適切な点検作業が行えるマニュアルを作成し、アセツト・マネジメントに代わり適用させようとしている。近く「市販」で売り出す考えも表明している。
 アセット・マネジメントは今年度は群馬県が乾そう部門から検討を開始するなど大阪府などでも検討し徐々に広がりつつある。先進県である青森県ではホームページを立ち上げ、さまざまな研究などについて広く呼びかけ、10月には「橋梁アセット・マネジメント担当者会議」を青森市内で開くことにまでなった。
 なお、国土交通省関東地方整備局では橋建協の提案でアセット・マネジメント実施を東京国道事務所管内を対象に試行しているもよう。

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