業界記事
設計VEが実施段階/トップ切って対象業務抽出
2004-10-01
国土交通省関東地方整備局は9月29日、発注者による「設計VEの活用」(原則インハウスにより実施するもの)の実施方針等を発表するとともに、全国の整備局のトップを切って、行動に移す考えを示し、今後のスケジュールを明らかにした。まず、設計VEの概要を理解するため、各事務所の副所長等を対象にした講習会を今月12日に開催し、今月中に実施業務の抽出を行い、年度末には実施結果をとりまとめ、報告することにしている。
「設計VE」の積極的な活用は、「国土交通省公共事業コスト構造改革プログラム」において、更なるコスト縮減と品質の向上を推進するための施策項目の一つとして位置づけているもので、現在、国土技術政策総合研究所で検討中の「設計VEガイドライン(案)」を参考とし、「設計VEの活用」を実施することにした。
実施方針では、試行的に発注者による「設計VE」を活用し、物中心から機能中心の考え方に切り替え、改善や開発に取り組むことにより、不必要なコストの発見はもとより、従来の考え方にとらわれない大胆な発想をもとに、実体験をしながら代替案の検討を行う、としている。
実施業務の抽出にあたっては、予備設計段階、詳細設計段階を中心に「設計VEの活用」を実施するものとし、民間の技術開発の著しい分野、大規模な構造物、施工条件に制約が大きい等、代替案が見い出せ、コスト縮減効果が期待される設計業務を中心に選定する(コスト縮減効果が期待される設計等がない場合においては、簡単な設計等でも可)。
基本手順の習得へは、各事務所等から数名程度(技術系係長以上等)の代表者を対象に、2日間の講習会を11月から12月に計3回開催する予定。講習会参加者は、事務所等へ持ち帰り、仮称設計VEリーダーとして、設計VEの普及に努めるとともに、「設計VEの活用」を中心となって実施してもらう方針。
なお、17年度以降については、必要に応じて実施を検討する。
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