業界記事

ビジネスモデル紹介<2>/国土交通省の新住宅産業ビジョン

2004-07-28

 ◎持ち家リース・リロケーション
(管理委託型)=転勤者の留守宅等比較的短期の持家空家について、賃借人募集や家賃徴収等の管理業務を受託して実施。
 (サブリース型)=高齢者の住替え時等比較的長期の持家空家を借上げ、第三者に転貸。
◇現状認識=これまで、持家である自宅を賃貸住宅として運用することを検討する際には、希望時に返却されないリスクや、使用方法等に関する賃借人とのトラブルリスクが意識されていたほか、そもそも他人に住まわれたくないとの意識などがあり、現実的には住み続けるか、空家にするかのいずれかであったと考えられる。
 しかしながら、近年、定期借家制度の普及や、収入見通しの不透明感などもあり、転勤等で自宅を使用しない間、賃貸住宅として運用するニーズが見られる。一方、企業においては、かつては福利厚生の一環として社員の転勤に伴う空家を借上社宅とする例も見られたが、企業の福利厚生部門の縮小・外部化ニーズも高まっており、このような転勤等に伴う空家の管理を受託する事業者も現れてきている。
 さらに、高齢者住宅等への住替えに際しては、新しい住まいが必ずしもニーズにあわない場合等に備える観点、あるいは譲渡益課税を回避する観点などから、売却よりも賃貸化を求めるニーズがみられ、住替えにより生じた空家を借上げ、高齢者に対し一定の家賃を保証するビジネスも見られる。
◇課題と今後の方向性=わが国の個人資産の大半は、流動性の低い住宅・宅地資産であるが、このビジネスは、売却以外の資産の流動化(現金化)の方法を提供するものであるとともに、賃貸住宅の質の向上、特に都心部等での良質なファミリー向け賃貸住宅の供給にも資するものである。また、こうした質の高い持家が市場に供給されることにより、賃貸住宅として新たに供給される物件の水準の向上を刺激することも考えられる。
 住宅のサブリース事業は、賃貸人が個人、賃借人が事業者という借地借家法等が一般的に想定している契約とは性格が異なる契約となることから、サブリース原契約終了時における転借人の地位の承継に関する契約内容の適正化などについて検討し、サブリース原契約及び転貸借契約の標準約款の作成・普及など、安定した取引ルール構築のための検討が必要である。また、持家の賃貸化が進展することに伴い、分譲マンションにおける、区分所有者と賃借人が混在する場合の管理のあり方についても検討していく必要がある。
◎リバース・モーゲージ
(継続居住型)=高齢期における生活資金等を賄うため、自宅に居住し続けながら、当該物件を担保に借入を行い、利用者の死亡後に物件の処分により借入金を返済。
 (住替え型)=高齢期における生活資金・住替え資金等を賄うため、高齢者住宅等への住替えにより空家となった持家を賃貸運用するとともに、当該物件を担保に借入を行い、利用者の死亡後に物件の処分により借入金を返済。
◇現状認識=従来、リバース・モーゲージとは、自宅に住み続けながら、高齢期における生活資金等を確保するため、毎月一定の金額を受取る年金代替的な融資を指すことが一般的であった(「継続居住型」)。
 しかしながら、高齢者の生活コストは、子供世帯等との同居等により負担が内在化・低減化されていたこと、住宅・宅地資産は子孫に残すものとの価値観や、安心して住み続けたいとの意識から、自宅の担保設定に消極的であったことなどから、「継続居住型」に対するニーズは必ずしも高まらなかった。また、信託銀行等リバース・モーゲージの担い手も、バブル崩壊後の資産デフレで商品の維持が難しくなった。
 近年、家族観など価値観の変化が進むにつれ、高齢者が子供に頼らず豊かな生活を送りたいとのニーズが高まるとともに、高齢期における住まいの選択肢が拡大することに伴い、自らに適した住宅等への住替えを行う例も増えてきている。住替えにあたっては、自宅の売却ではなく賃貸化ニーズも見られ、こうした賃貸化する住宅資産を活用し、将来の不測の事態や住替えに要する資金、あるいは自らの豊かな生活のために使える資金を確保するニーズも高まる可能性があると考えられる。
 また、住替えを前提とすると、継続居住のケースに比べると担保設定に対するネガティブな印象も薄いと考えられる。こうした背景から、大手住宅メーカー等の中には、将来にわたり資産価値が維持される住宅として差別化を図る観点、あるいは、住替え先の販売促進の観点から、「住替え型」リバース・モーゲージを提供し始めているところも見られ、需給両面から、今後、広がりを見せていくと見られる。
 なお、商品性については、長生きリスク等のいわゆる「三大リスク」を踏まえれば、毎月定額の融資を受取る形態により、年金機能の一部を代替することは現状においては困難であると考えられ、生活のゆとりのための追加的な資金ニーズに応えることを主たる目的とする、予め設定された限度額の範囲内において任意に借入ができる限度額型とすることが現実的と考えられる。
◇課題と今後の方向性=「住替え型」リバース・モーゲージは、高齢者の生活資金の確保に加え、高齢者住宅等への住替え、持家リースと続く、高齢者がこれまで住んできた若・中年世帯の居住に適する持家の流動化を促進させる一助となり得ることから、その意義は大きい。まずは、限度額型の「住替え型」リバース・モーゲージの健全な発展を図ることが重要であり、これによって、「継続居住型」の成立する基盤も整っていくと見込まれる。
 その際、利払いの増加に伴う生活水準の悪化などリスクもあることから、安易な利用による紛争等を防止するため、利用者がリスクや条件を十分に認識して契約することが必要であり、リバース・モーゲージに係る専門的、中立的なカウンセリング体制の構築について検討する必要がある。また、高齢者の痴呆等に対応しうる後見人制度の活用や、信託や譲渡担保の
活用など相続人の遺留分減殺請求に対する合理的な担保手法など低コストな仕組みの開発・制度対応が求められる。
 さらに、リバース・モーゲージの発展のためには、「継続居住型」「住替え型」を問わず、最終処分が円滑に行えることが重要であり、きめ細かな市況情報の提供、取引物件の現況検査の促進、譲渡益課税のあり方の検討などを含め、中古住宅の流通円滑化に総合的に取り組むことが必要である。

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