業界記事

ビジネスモデル紹介/国土交通省の新住宅産業ビジョン<1>

2004-07-14

 高齢者住宅等の経営
 社交プログラム、買物等代行、食事、健康管理、あるいは、介護等のサービスを付加した健常高齢者(アクティブ・シニア)を対象とする住宅等を経営。
◇現状認識=高齢期の住まい方は、施設や病院等を別とすると、主に、<1>もともとの住宅における継続居住、<2>健常時の住替え、<3>要介護時の住替え、の3つの類型がある。ここでは、健常者の住替え先(<2>の類型)となる住宅及び住宅機能を有するものを「高齢者住宅等」として取り上げる。
 高齢者住宅等は、大きく2つに分類できる。1つは要介護時においても、入居したまま高齢者住宅等事業者から介護サービスを受けられる「介護のある高齢者住宅等」であり、介護付有料老人ホーム(介護付マンション等と称するものもある)などが該当する。介護サービスが確保され、憂いのないよう過ごすことを重視する類型と言える。
 もう一つは、バリアフリー等高齢者に適した構造を持ち、緊急通報等の生活サービス等は行うが、事業者は介護サービスを提供しない「介護のない高齢者住宅等」であり、高齢者向け優良賃貸住宅、シルバーハウジング、シニア賃貸・分譲マンション、住宅型有料老人ホームなどが該当する。「介護のある高齢者住宅等」と提携しているものもあるが、要介護時には、訪問介護・通所介護等の居宅サービスを利用することを想定し(または「介護のある高齢者住宅等」を改めて探すことを想定し)、健常時の豊かな生活・住宅機能を重視する類型である。
 また、介護サービスの有無にかかわらず、有料老人ホーム等は、利用権契約とするものが多く、入居一時金を必要とするものが多いが、月額家賃・利用料のみのものも現れてきている。なお、入居一時金及び月額家賃・利用料については、住宅利用部分、介護保険給付外の介護サービス部分、それ以外の一般サービスが不明瞭であることが問題となっている例も見受けられる。
 この分野には、介護サービス会社、住宅メーカー、不動産会社、社会福祉法人、電力会社等様々な業界からの参入が見られるが、事業モデルとしては、既存の社宅やホテル等を買い取り、改修して高齢者住宅等とするもの、建物については土地所有者が建設・所有し、それを事業者が一括借上げし運営するもの(以下「土地所有者供給型」という。)などが増えている。
 今後、行動力のある団塊世代がシニア市場入りするとともに、世帯数や世帯構造の変化等による若年世帯の住宅需要の伸び悩みや、高齢者の相対的な消費余力の高さを踏まえると、魅力ある市場として拡大していくことが見込まれる。
◇課題と今後の方向性=居宅と位置付ける以上、事業者の倒産など不測の事態が生じても高齢者の居住が脅かされないようにすることが重要である。
 居住については、賃貸借契約であれば保護されるものの利用権契約の場合は必ずしも明確ではないことから、終身賃貸借契約の普及・準用等について検討が必要である。
 また、契約面では、未償却の入居一時金の保全方法など、事業者の倒産等による入居者のリスクを軽減する方策についても検討が必要である。
 さらに、「介護のない高齢者住宅等」において、住宅機能を提供する事業者とサービスを提供する事業者が別主体の場合、後者の倒産時等に負う前者の責任範囲は必ずしも明確ではないことから(例えば、これまでの食堂事業者に代替しうる、質・価格を含めた同等のサービス確保の責任。あるいは、これまでの提携有料老人ホームに代替しうる新たな提携先確保義務など)、各事業者が負うべき義務等を契約上明確化することを検討する必要がある。
 また、「介護のある高齢者住宅等」に住替える場合には、介護が必要になった時に、確実に介護サービスが提供されることが重要であるが、居住部分の設置・運営に強みを持つ事業者と介護サービスの提供に強みを持つ事業者の連携を可能にし、また各々の責任・役割を明確にする観点から、介護部分のアウトソーシング(外部化)などの検討がなされることが望まれる。また、現在、介護保険制度の見直しの一環として検討されている小規模多機能サービス拠点の充実等によって、「介護のない高齢者住宅等」も、より魅力のある住まいとなるとともに、上記のアウトソーシング化の状況によっては、この2つの類型が極めて近いものになっていく可能性もある。
 次に、有料老人ホーム等は不当表示に関する公正取引委員会の指定を遵守すべきであるとともに、その他の高齢者住宅等においても適正な表示に努めるべきである。
 さらに、高齢者住宅等や特別養護老人ホーム等の施設といった高齢者の住まいは、名称や適用される関係法令等は異なるものの、共通の機能を有する部分があることから、入居希望者のニーズに応じた住まいの選択に関する相談体制の充実について検討するとともに、市場の成熟度に応じて、相談・選択の支援が一度に行うことができるよう、関係者の連携等も必要となる。
 加えて、資産保有による事業リスクの分散や安定した資金調達を図りつつ、現行の主な事業手法である土地所有者供給型を補完、代替する方法として、高齢者住宅等を対象とするREIT(不動産投資信託)の開発・活用など証券化の活用も検討されるべきである。

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