業界記事

県内下請義務から1年/数字より工事の本質を議論

2004-06-15

 県発注工事において県外業者は下請けで県内業者への発注することを努力義務にすることを「約款」に盛り込み、施行して今月でちょうど1年が経過した。その状況について3月26日付けトップで掲載し、それなりの反響があったことが記憶に新しい。
 さて、その下請け活用状況の15年度分の中間報告が先日、上田知事の定例記者会見をテレビで傍聴していると披露された。面白いやりとりがあつたので紹介する。
 まず下請け活用状況を報告すると、県外業者が元請けの場合の下請けは、県内に35・85%、県外に64・15%だった。この数字をどう見るかは人の主観によって当然異なる。1つの指標として13年度の調査との比較をすると、県外業者から県内への下請けは43・45%、すなわち約款改正しボルテージを打ち上げてむしろ8%下がっている。
 この数字を取り上げ、当日の定例記者会見である一般紙の記者が「努力不足だ」「効果がない」などの鬼の首を取ったかのような質問になり、翌日の新聞には「県外元請け動かず」「効果薄い」といった見出しが躍る。
 かく言う筆者も、3月には「活用進まず」と打ち一部県議会議員をも巻き込み大騒ぎに発展した。それは県外元請けが県内下請けに発注した比率が6割を超えることはやや活用が進んでいないという判断だったからだ。
 しかし、数字をどう見るということではなく、本質を見ることが重要なのではないかと後に気付き少しばかり反省もしてみた。
 当たり前だが、一般紙は建設業、下請け構造など表面的には知っているだろうが本質は知らないだろう。本質とは何か、何故県外が県内に下請けを出さないのか。それは、従来のピラミッド構造の中のたまたま県内に下請けを出さなかったのでもなく、まして埼玉県の努力義務をあざ笑うかのように反抗するために県内に出さないのでもないようだ。
 県内業者ができるのであればJVで参入できるようにする。県内ではできないことから、県外が落札し、県内業者に口はかけてもやれないのであれば、品質で県民に迷惑をかけることから、県外の業者に下請けを出していることが本音のようだ。
 トンネル、橋梁などの特殊技術と難易度の高い工事は公共工事の全体件数は減っても、一定のこのような難工事は毎年あるため、13年度と15年度の比較であるように県内への下請け率が下がる現象もあるのだ。
 県担当者もこの点は個人的意見としながらも認めている。正式なカウントこそしてはいないが、これは県内では施工できないと思う工事は15年度結構あったようだ。数字上で県内活用進まずは少々早計であり、短絡的とも感じる。県も数字にこだわるのではなく、どのような工事は県内ができないのかアンケートを取り把握し、実情をつかみ入札契約制度のより良い運用・制度改革に繋げることが重要であると思えてならない。数字で一喜一憂を発注者も業者もまだすべきではない。

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