業界記事

リバースオークション

2004-04-10

 オークションだからセリ(競り)のこと、インターネットオークションでも魚、花の市場のオークションでもセリを繰り返しながら価格はどんどん釣りあがっていく。釣りあがった最高値を付けた人に落札となる。骨董品、絵画の高価格が付いたオークションが話題となってテレビマスコミで報道されるのも異常にセリあがった結果だから話題となる。建設工事でもリバースオークションが取り入れだしてきた。リバースだから何度もオークションを繰り返していく。他の分野のオークションと違うのはオークションを繰り返せば繰り返すほど価格が下がっていくと言うこと、逆オークションのことである。
 逆オークションは、航空券の価格がいつも変動し続ける米国の航空業界の自由化の波の中から生まれてきたインターネット商取引のビジネスモデル。それが進んで米国では逆オークションで建築工事の工事発注まで執り行われている。日本でもいくつか現実の事例が見られるようになってきた。競争条件が明確に定義しやすい建設資機材の調達から始まった。小口の資機材から始まり全国展開の店舗の看板の調達に取り入れられている。最近は材工ともの調達にまで広がり、大型店舗そのものの一括請負業者選択の場として本格的な導入が始まっている。具体的には軽井沢のリゾートマンションの洗面化粧台の発注がインターネット上で8時間32分かけて行われ77回の入札で調達業者が決定した。
 逆オークションはともすれば単なる価格の叩き合いの仕組みと危惧され、建設業界にとって敬遠されがちな調達方法であることは確かだ。オープンマーケットでの商取引だから公平公正、透明でなければならない。契約図書、仕様の明確化、もちろん今まで参考数量であった内訳数量(BQ)は正確に提示して始めてオークションが成立する。発注側、受注側のきちんとしたルールづくりが不可欠。それでも逆オークションに参加した受注者側も努力した結果が透明である事によってギクシャクした気持ちは引きずられない。確かにネット上の取引だから営業コストは大幅に削減されるし他社の最終価格を瞬時に理解できれば最終価格も透明、受注に結びつかなかった業者の割り切りもあっさりしたものになる。大型受注、新規顧客の獲得チャンスは広がっていきそうな気もする。
 民間工事の調達システムの事、割り切って理解してしまえば前には進まない。電子入札も公共工事では当たり前になってきた。何年か前には考えられなかった入札システム。ダブルの背広を着たセカンドバッグを小脇に抱えた建設会社の営業マンのスタイルも確実に様変わりしている。養老盂司の最近何刷目かになって売れた「ばかの壁」のY=axの考え方は面白い。Yは人間の行動のこと、aはxに対する考え方のこと。自分が発注者だと置き換えて考えてみればいい、信頼できる受注者の集まりだったら発注までの手間隙は大変かもしれないが実行してみたい調達システムのひとつだと十分考えられる。何か味気ないコンピューターゲーム的な感は拭えないが、今では民間工事のほんの一部分の調達システム、ITは道具、プロセスから何もかも透明にすることによって受発注者相互がGIVE&TAKEの関係からWIN-WINの関係を保てるシステムであることに目を向ける必要はありそうだ。(あおやぎ・たけし=沼田土建(株)代表取締役社長)

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