業界記事

茨城県景気の現状判断指数/建設業は厳しさと増す/今年3月分一部では改善の声も

2004-04-10

 県企画部統計課は、県内で建設業や小売業などで働く300人を対象に行った茨城県景気ウォッチャー調査の今年3月分をまとめた。景気の現状に対する意見は、昨年12月の調査に比べて「良くなっている」「変わらない」との回答が少し増えたため、景気動向指数(DI)は3ポイント増の53・1となり、「横ばい」を示す50を昨年12月に引き続き上回った。3か月先の先行き見通しでも、「良くなっている」が増加したため、先行き指数(DI)は5・2ポイント増えて53となり、横ばいの50を超えた。
  調査は、景気の現状と先行きを<1>良くなっている<2>やや良くなっている<3>変わらない<4>やや悪くなっている<5>悪くなっている-の5段階で判定してもらい、その理由も聞いている。
 景気に対する建設関係業界の主な意見をみると「業務量・受注金額ともに増加している。マンション・住宅等の住居系の動きが多いように思われる」(建設業・県央地域)、「ローン減税の延長効果及び低金利の影響で展示場へ来店する客の建築意欲がかなり前向き」(住宅販売会社・県南地域)-と、一部で良くなっている声が出ている。
 一方で、「製品単価が下落しており、原材料の値上げ分の転嫁が難しい状況。公共事業が縮小している」(コンクリート製造業・県南地域)、「全体の受注量が少ないため低コストでの競争が続いており、今までの見積金額では受注できない。受注できても利益率が悪い」(建設業・県南地域)-という声も依然として多い。
 その他の意見では、「地方には地方の丁寧な消費拡大の取り組みがあり、知恵が大切」(コンサルタント業・県央地域)、「自分が気に入ったものであれば、少々価格が高くてもお金を使う人がかなり増加している」(住宅販売会社・県北地域)-という感想があった。
 今年3月調査における建設関連業界の主な意見は次の通り。
 景気の現状について
【県北地域】
 (電気機械器具)生産が追いつかない状況になっている。同業者との会話の中でも徐々にではあるが受注量が増加しているとの話が聞かれており、景気回復傾向にあるといえる。
 (住宅販売会社)受注棟数が増加している。
 (建設業)業種にもよるが、良いところは積極的に設備投資や雇用を行っている。しかし、悪いところは依然として先行き不安という二極化が進んでおり、総合的な印象は低調である。
 (不動産業)利便性の高い市街地の開発にもかかららず、客足は鈍く集客力がない。また、値下げして販売しても動きが鈍く、依然として市場は低迷状態にある。
【県央地域】
 (建設業)業務量・受注金額ともに増加している。マンション・住宅等の住居系の動きが多いように思われる。
 (住宅販売会社)住宅ローン減税の延長が要因となっているのか、住宅の購入を具体的に検討している人が若干増加している。
 (輸送業)依然として単価については低迷しているが、電気・電子部品系の引合いが増加しており、高機能樹脂の動きも活発である。
 (建築設計事務所)住宅を含めた新規物件は相変わらず少ない状況にある。
【鹿行地域】
 (住宅設備施工業)景気が全般的に悪いので着工棟数が少ない。
 (レジャー施設)企業の合併問題が下請企業や住民に不安を与えており、売上げが下降している。
【県南地域】
 (住宅販売会社住宅)ローン減税の延長効果及び低金利の影響で展示場へ来店する客の建築意欲がかなり前向きである。
 (窯業・土石製品)公共事業に依存しているので大きくではないが、経営努力の結果、収益が改善してきている。
 (建設業)受注状況に一向に変化が見られず、見積依頼件数は減少している。
 (建設業)3か月前と変わらず、土地の売買はなく、新築住宅も1件もない状況である。
 (建築設備業)受注状況に変化はない。
 (雇用相談員)一部好調な機械メーカーがあるものの、全体として目立った変化は見られず横這いの状態が続いている。土木関係では公共事業の減少により、民間の仕事で現状を維持している。建設関係では、特に住宅建築が低迷しており、小規模な工務店等では廃業するところも見られる。運輸関係では若干動きが出てきているが、タクシー等では売り上げに変化はない。
 (コンクリート製造業)製品単価が下落しており、原材料の値上げ分の転嫁が難しい状況にある。また、公共事業が縮小している。
 (建設業)全体の受注量が少ないため、低コストでの競争が続いており、今までの見積金額では受注できない。また、受注できても利益率が悪い。
【県西地域】
 (石材業)最も忙しい時期であり、仕事量が多い状況になっている。
 (建築設計事務所)工場関係の建物の建設がでてきている。
 (印刷業)売り上げが前年と比較して微減で推移している。また、官公庁の入札の落札価格が昨年を大分下回っており苦慮している。
 景気の先行き
【県北地域】
 (住宅販売会社)住宅購入を検討している客が増加している。
 (建設業)さらに二極化は続くと思われるが、それが景気の底上げにつながるようには感じられない。
 (林業関係者)材木の需要が増加する見込みがない。
【県央地域】
 (住宅販売会社)社会全体の景気回復基調もあり、受注棟数が更に伸びていくことが予想される。
 (建築設計事務所)平成16年に入り、東京方面の客から景気が上向いてきているという話が聞かれるようになった。今後、新規の設備投資が多少期待できるのではないかと思われる。
 (土石製品)前年同期と比較して、今後3か月先の工事受注量が減少している。
【鹿行地域】
 (住宅販売会社)住宅ローン減税の影響で、そろそろ客の動きがでてくると思われる。
 (室内装飾業)住宅の着工が少なく、家を建てようとする気配も見られない。
 (窯業・土石製品)親会社では、原材料単価の高騰によるコストアップを販売単価へ転嫁するのは難しい状況にあり、その分下請企業へのコスト削減などの要請が必至と見られているため、厳しい状況は続くと思われる。
【県南地域】
 (住宅販売会社)減税の適用条件が年内中の入居であり、年内建築を検討している客が多くなっている。
 (建設業)毎年1月から5月までに年間工事金額の70%ぐらい施工するが、今年は期待できない。
 (建設業)景気が良くなる要因が全く見当たらないため、今と変わらないと思われる。
 (建築設備業)見積状況から判断しても変化があるとは思われない。
 (建設業)取引先と話をしても10人に9人は現状維持かやや減少の意見であり、企業の設備投資が増加に転じるとは思われない。
【県西地域】
 (建築設計事務所)建設計画の問合せが少しずつでてきている。
 (建設業)一部では設備投資の計画の兆しが見られるが、先の見通しが立たない状況である。
 (木材業)4月以降建設中の現場が少なく落ち込みが予想される。
 (石材業)需要が少なくなる時期であり、受注できても利益が少なくなってしまう。
 その他の意見
【県北地域】
 (商店街代表者)工場の海外移転が控えており、街がさびれていくのか心配である。
 (住宅販売会社)自分が気に入ったものであれば、少々価格が高くてもお金を使う人がかなり増加している。
 (電気機械器具)原材料の値上げ要求が強く、材料入荷に支障が生じてきている。単価の引き下げや今までなかった電気機械器具の分野で入札という話を聞くと、零細企業でやっていけないところもあると思われる。
 (雇用相談員)資材・材料の単価が上昇しているようであり、「今までのような低価格競争の厳しさがなくなってきて、良い面での動きが出てきているように感じる」と言っている経営者もいる。
【県央地域】
 (専門スーパー)自営業者の来店・注文が増加している。理由として、今まで一つの取引先から購入していたものを、自分でいろいろな店へ出向いて購入し、無駄な在庫を持たないようにしていることが考えられる。工事関係者の購買が上昇しているが、鉄鋼関係の価格が急騰しており、購買に影響しないか心配である。
 (建築設計事務所)ホテルの建設が増加している。
 (一般機械器具)鋼材・アルミ材関連で値上げの依頼がでてきている。
 (建設業)新築マンションが増加しているが、人口増加ではなく横の移動であるため、古くなったマンション(特にバブル期に建築したマンション)等は入居率の低下等で困っているオーナーが多い。
 (コンサルタント業)現代の商店街イメージを仮説した企画及びコーディネートによる販売促進イベントを実施したところ成功した。地方には地方の丁寧な消費拡大の取組みがあり、知恵が大切である。
【鹿行地域】
 (住宅販売会社)土地の価格がやや上昇したような気がする。
 (化学工業)品質・価格等納入条件に関して、ユーザーごとに独自性が強くなってきており、今まで以上に細かな対応が必要であると感じている。
 (民間職業紹介業)企業から求められる人材については、以前と比べるとかなりスキル(技術・技能)的な質を求められるようになってきている。しかし、若い人などは経験も乏しく、スキル的に厳しい状況にあり、マッチングが難しい。
【県南地域】
 (住宅販売会社)以前よりも検討している住宅の規模が若干大きくなっており、仕様も豪華になってきている。
 (窯業・土石製品)鋼材等鉄関連商品の価格引上げ要請が多い。
 (建設業)新しい店舗ができてはなくなり、新しく改装しても閉鎖するところも見られる。
【県西地域】
 (建築設計事務所)老舗・旧家の倒産・競売が身近でおきている。また、地場大工の仕事が減少しており、若い大工及び後継者がいないため将来に不安をもっている。
 (石材業)これまでは石材の加工卸が一般的な業態であったが、最近、直接ユーザーに売り込む直売が主流になってきている。
 (電気機械器具)生き残りをかけた業界再編の話がささやかれている。
 (建設業)市町村合併が騒がれているが、合併によりインフラ整備が進むようになれば、街に活気が出てくると思われる。

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