業界記事

新春インタビュー/茨城県土木部坂入健部長<2>

2004-01-05

 -新年度の公共事業の執行方針は、どう考えていますか。
 坂入 平成15年度の執行方針である「事業の重点化・効率化、入札・契約制度の改善、公共工事コスト縮減対策の推進、アカウンタビリティの向上とコミュニケーション型行政の推進」を基本的に踏襲しつつ進めていくことになるでしょう。
 また、景気の動向をよく見極めながら、切れ目なく機動的に公共事業の発注ができるよう努めたいと思っています。
 -最近の出来事で、関心があることは何でしょうか。
 坂入 最近というわけではないですが、私の長い技術者人生の中で忘れられない出来事のひとつが、日立港における北朝鮮籍貨物船チルソン号の座礁事故なんです。
 昨年はチルソン号の事故で明けて、毎日、対応に追われていた感じですね。
 チルソン号の撤去には、国の支援をはじめ、土木部職員、関係業者のみなさんにいろいろとご協力いただき、感謝しているところです。
 ある意味では、昨年は「海の年」だったかもしれませんね。
 -県内の建設関連産業は、公共事業費の減少に加えて、建設業法・入札契約適正化法・建設リサイクル法への適切な対応などもあり、たいへんに厳しい環境におかれています。各業者の自助努力はもちろんですが、県内業者の育成や再生に向けて、新年(度)に何か新たな施策を考えていますか。
 坂入 まずは、仮称ではありますが「茨城県建設業振興基本指針」の策定を検討しているところです。
 これは、建設需要が低迷するなか、建設業経営者の自主・自立を原則としつつ、技術力を強化し、経営基盤の安定化を図る優良な建設業者を育成して、企業間の連携や経営の多角化に挑む意欲ある建設業経営者を支援するために考えているものです。
 内容は、優良建設業者育成のための方策(技術者表彰等)、協業や合併へのインセンティブの付与、融資や補助金制度の情報提供、建設業に特化した経営相談(経営合理化、技術革新等支援施策紹介)などを考えています。
 その他に、建設業支援ガイドブック等の作成による支援施策紹介なども検討しているところです。また、建設業相談窓口の開設、建設業振興アドバイザーによる定期・派遣相談なども考えています。
 平成16年度には、その基本指針を策定し、県の支援策を計画的に展開していきたいと考えております。
 次に「合併支援道路整備事業」の創設ですね。
 道路は、合併後の市町村の一体性の確立や均衡ある発展のために不可欠であり、活力ある合併市町村の永遠の財産となるものです。
 対象として考えているのは、市町村建設計画に位置づけられた道路で、合併市町村が合併特例債を活用した道路整備を行うことにより、必要な道路整備を短期間で実現し、地域連携の早期の強化を図るとともに、地域の活性化と発展に資するものです。
 しかし、そのままでは市町村の負担が大きいものですから、そこに県が補助を導入することにより、市町村の負担を大幅に軽減できる支援制度を平成16年度に創設したいと考えております。
 合併特例債対象事業の限度額(10年間の合計額)は4000億円程度と見込んでおります。
 その他、建設リサイクル資材について、その積極的な利活用を進めようと、県独自の基準の作成・認定作業を進めているところです。
 昨年8月に、学識経験者や民間業者なで構成する「茨城県リサイクル建設資材評価認定委員会」を発足して検討していただいており、来年度には、各資材の評価基準を公開して、登録申請を受け付けて認定し、活用を進めていきたいと考えているところです。
 -県内の業者でも、国際標準規格である「ISO」を取得する業者が少しずつ増えてきています。県の格付けなどに、ISO取得を反映させる考えはありますか。
 坂入 入札契約適正化法に基づく適正化指針で、ISO9000シリーズの認証取得の促進を図ることをうたっていますし、県議会での質問も受けています。もちろん、県内でもISOを取得する業者が増えていることは承知しています。
 県でもこれまで、ISO取得業者について主観点数に反映させようかと検討してきています。
 今後は、国土交通省の中央建設業審議会における経営事項審査(客観点数)への加算状況を踏まえつつ、本県においてもISO取得業者を加点対象とするため検討を進めてまいりたいと考えております。
 -県でも、いよいよ今年から電子入札が始まります。準備状況と今後の見通しは。
 坂入 これまで電子入札の導入に向けて、システムの開発やセミナー、説明会、操作研修などを段階を経て、1月5日からシステムの運用を開始します。
 公共工事の入札手続きの一層の競争性や透明性の確保、また、コスト縮減を図るため、電子入札への理解と協力をお願いしたい。
 電子入札を実施する案件については、今年度は、2億円以上の工事で行い、今年10月ごろからは5000万円以上に拡大して実施していきたい。17年度からは3000万円以上の工事、県の格付でいえばAランクの業者さんが対象になるような工事にまで広げる計画となっています。
 委託業務については、本庁起工の案件から始めて、徐々に対象を拡大していって、17年度を目標に、すべての案件を電子入札で実施していくように計画しているところです。
 -工事量の減少など厳しい環境に直面している建設産業ですが、業界に望みたいことは何でしょうか。
 坂入 まずは、経営の安定に努めていただきたいということですね。
 個人であれ、組織であれ、最近の建設産業の変化に対応できる強さが必要ではないでしょうか。そして、技術の向上や人材の育成にも力を入れていただければと思っています。
 昔からの日本人の美徳といいますか、人が見ていようが見ていまいが、見えない部分にも全力を尽くすというものがあったと思うんです。残念ながら最近は、そういうものが少なくなってきている感じがしているんですよ。
 建設産業も、やはり本来の「業」に全力を傾注していただき、技術で勝負してほしいと願っています。
【略歴】
 昭和20年5月10日生まれ、58歳。石下町在住。
 昭和44年3月…日本大学工学部卒。
 昭和44年4月……入庁(石下土木事務所)
 昭和56年6月…利根浄化センター係長
 平成2年4月…道路建設課主査
 平成4年4月…道路建設課課長補佐
 平成7年4月…知事公室主席政策調整員
 平成10年4月…竜ケ崎土木事務所長
 平成11年4月…都市局都市整備整備課長
 平成12年4月…知事公室長
 平成14年4月…土木部長
 ◇趣味…釣り

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